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マダム・タッソー蝋人形館 恐怖の部屋

犯罪や処刑場面を再現した「恐怖の部屋」は、マダム・タッソー蝋人形館版お化け屋敷。天井からは串刺しになった頭や、首を吊った人形、ギロチンが時折ガチャンと音を立てて降りてくる。この部屋に入るのを嫌がっていた友人はろくに周りを見ず、耳までふさいでいた。

そこから更に特別な部屋があり、何でも体験したい私は、友人を半ば強引に連れて入った。前回来た時は存在していなかったと思う。その部屋はお化け屋敷の中のお化け屋敷といった感じで、本物の人間が脅かしに来る。前後の客達と間隔を置いてから入場するため、友人と2人きりで真っ暗で迷路のような通路を進む。お化け役の俳優さん達が、早速脅かしに来た。結構な迫力!

友人はずっと「ぎゃーーーー」と叫んでいた。あまりにも叫び続けているので、それを面白がって、お化けは友人にばかりに脅かしに来る。ちょっと寂しいというか幸いというか、私に仕掛けて来るお化けは1人もいない。最初、そんな友人を大笑いして見ていた私だが、怖がり振りが尋常ではないので、とにかく早くここを出ようと、私の腕にしがみついている友人を引っ張り、お化け達を振り切って、ひたすら出口を目指した。多分、普通の倍以上のスピードでお化け屋敷を抜けたと思う。

お化け屋敷を出てからも、友人はまだ「怖い怖い~!」と繰り返し悲鳴を上げていた。周囲の人達もきっと、余程恐ろしい部屋だと思ったに違いない。友人は「入り口に入らなくても良いと書いてあったのに」と怨み節を訴えて来た。確かに、入り口には「心臓の悪い人や妊婦は入らないように」と書いてあった。実は、友人が気が付いていない、しめしめ……と思って入ったのだ。私はその点についてはとぼけ、更に酷いことに一度は収まった笑いがまた止まらなくなってしまい、これで友人の信頼をちょっとだけ失ったような気がする。

いや、でも、友人には本当に悪いことをしたと思っている。友人とは過去に一緒に各種遊園地等に行き、子供騙しなお化け屋敷ですら過剰な反応を示していたのを覚えてはいるが……。それにしても、お化け屋敷でこんなに本気で怖がる人を初めて見たよ、私は。

次の展示室は、ロンドン名物の黒塗りタクシー型の乗り物で、エリザベス一世時代から現代までの様子を再現している「ザ・スピリット・オブ・ロンドン」。耳元のスピーカーからは日本語を含めた各言語でのナレーションを聞くことが出来るが、私達の席のスイッチは全て壊れていた。見た感じでは前回とそう変わりなく、座ったままで左右をきょろきょろ見回していれば良いだけなので、とにかくのんびり。お陰で友人も少し落ち着いて来たようだ。

乗り物を降りるとまた少しだけ人形があり、昔懐かし風のゲーム・コーナー、売店、そして出口へと続く。売店ではパンフレットを4ポンドで購入した。入場料が馬鹿高くなっていたのに対して、パンフレットの値段にそう変わりはなかった。但し、今回のものは館内の案内というより、まるでファッション誌のカタログ。海外の有名人に疎い私はパンフレットでおさらいするつもりだったのが、人形の写真も少なければ載っていても名前を書いていないので、全くもって役に立たない。

ところで、最初から最後まで気に入らなかったのが、回るべきルートがとてもわかり難かったこと。表示は抽象的だし、次の部屋への通路がまるでトイレかどこかに続きそうな雰囲気だったり、この先はカフェで行き止まりだと思ったら、その脇の通路から次の部屋に続いていたり。恐怖の部屋以外はもれなく見てきたつもりだが、何か見忘れたような、物足りないような。

……と思い出した! 千代の富士と吉田茂元首相を見ていない。引退してからかなり経つので、確かに今更千代の富士もないだろうけれど、撤去されてしまったのだろうか。それともやはり、どこかでコース・アウトして見逃したのだったら腹が立つかも。あのわかり難いルートにね!

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modified on July 16, 2004 

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